故障時間データに対し,分布のパラメータを求める推定法として最尤推定法があります.
最尤推定法(maximum likelihood estimate method)とは,尤度を「手持ちの観測データのもとで,あるパラメータ値が得られる確率」とみなして,尤度を最大化するようなパラメータ値を探索する推定方法です.即ち,確率論的モデルのパラメータを変えていって,観測データにもっともよく「あてはまる」ところを探索していく方法です.
最尤推定法は,尤度関数が線形な方程式の場合に,計算式を用いて解析的に値を求めることができるので,多くの場面でよく用いられる推定法です.また,最尤推定量はサンプル数が多い時に,精度の良い推定量となります.
図1.寿命試験のデータ
20個の部品が故障した時間を並べた寿命試験のデータがあります.
1列目はサンプル名,2列目は寿命試験で各サンプルが壊れた故障時間です.
メニューバーから[手法]-[信頼性解析] -[分布型の検定・推定]-[最尤推定]を起動します.変数の指定画面で量的変数の「寿命試験」を指定します.
今回は完全データ※を扱うので,属性の指定で「完全データ」を指定し,「次へ」ボタンを押します. ※ 完全データとは,n個のサンプルの寿命(故障時間)データから寿命分布を推定しようという場合に,n個すべてのデータが得られたものです.これに対して何らかの原因で一部のデータしか得られないものは,不完全データといいます.
図4.分布の選択
データが従っていると思われる分布を選択します.
ここでは,データは正規分布に従っていると仮定して,そのパラメータを求めることにします.「分布の選択」ダイアログで「正規分布」をクリックします.
正規分布のパラメータ(平均,標準偏差)とMTTF(Mean Time To Failure:故障までの平均時間)が求められました.
図5.パラメータの推定
※ 「画面はJUSE-StatWorks/V4.0のものです」
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