カイ二乗検定(chi-square test)はデータの分布への適合性の検定方法です.サンプルをいくつかのクラスに分類して行います.
近似的な方法であるため,サンプル数が十分に大きくなくてはなりません.一般的に,サンプル数は30以上必要と言われます.
30個の電気機器が故障した時間を並べたデータがあります.
1列目はサンプル名,2列目は電気機器の故障時間です.
メニューバーから[手法]-[信頼性解析] -[分布型の検定・推定]-[K-S検定]を起動します.変数の指定画面で量的変数の「寿命試験」を指定します.
今回は完全データ*1を扱うので,属性の指定で「完全データ」を指定し,「次へ」ボタンを押します.
「初期設定」ダイアログで,検定に関する初期設定を行います.
仮定する分布と区間数,検定の危険率(有意水準),分布のパラメータの与え方を指定します.例えばここでは,分布は正規分布,区間数は6,危険率(有意水準)は0.05,分布のパラメータは最尤法(デフォルト計算)で推定する,と設定して,「OK」ボタンをクリックします.
カイ二乗検定の計算表を確認します.
ここで,カイ二乗検定では1つの区間に含まれるデータの数は5以上でなければならないことに注意します.5以下になるときには隣接の区間はマージ(統合)して5以上になるようにします.
本例では5.14≦X 6.43,6.43≦X 7.71,7.71≦Xの3区間に入る度数がそれぞれ,2,3,2となりいずれも5以下であるので,区間をマージして,区間に含まれる度数を5以上にします.
図5.計算表の確認
統合する区間の行をクリックすると選択され,行が着色されます.
行が着色された状態でメニューボタン「マージ」を押します. 区間がマージされ,1つの区間に含まれるデータの数が5以上になりました.
マージ後の計算表を確認します.各区間の度数と期待度数から,カイ二乗統計量が計算されています.
図7.計算表の確認(2)
「検定結果」のタブにカイ二乗検定の検定結果が表示されます.
カイ二乗検定の結果,帰無仮説「H0:正規分布に従っている」は有意水準0.05で棄却されませんでした.つまり,今回のデータは「正規分布に従っていないとはいえない(正規分布に従っていそうだ)」という結果になりました.
※ 「画面はJUSE-StatWorks/V4.0のものです」
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