「MSA(測定システム解析)」の「安定性の解析」は,測定値の経時的なばらつきを分析することを目的とします.安定性の解析では,標準サンプルを一定間隔で測定することにより得られた測定値を管理図にプロットすることにより測定システムが管理状態にあるかどうかの判断を行います.
また,測定システムが管理状態にあると判断された場合,測定システムのばらつきと工程とのばらつきとを比較することにより測定システムのばらつきの大きさを評価します.
MSA(測定システム解析)を用いた事例をご覧いただけます.
データの入力形式は,通常の管理図と同様の形式となります.
下記は群の大きさが3,群の数が25のデータです.ここでは,形式1により入力を行います.
メニュー[手法]-[工程分析]-[MSA(測定システム解析)]-[安定性の解析]を選択すると「管理図選択」ダイアログが表示されます.xbar-R管理図,xbar-s管理図,x-Rs管理図の中から解析で使用する管理図を選択します.
管理図を選択すると「変数の指定」ダイアログが表示されますので,解析に使用する変数を指定します.この解析例では,データを形式1で入力したので群の大きさ分の量的変数を選択します.
変数の指定を行い「次へ進む」ボタンを押すと「管理図選択」ダイアログにおいて選択した管理図が表示されます.
この解析例では管理図から以下のことが分かります.
xbar管理図において中心化傾向が見られることに関して,『MSA*1』では測定者による層別の可能性が指摘されています(『MSA*1』p.23).
また,R管理図が安定状態にあることから,R管理図より測定システムの標準偏差を推定することができます.本システムでは,手法メニュー「安定性」を選択することにより測定システムの標準偏差の推定値が表示されます.
手法メニュー「安定性」を選択すると「初期設定」ダイアログが表示されます.
工程の標準偏差が分かっている場合は,本ダイアログにその値を入力することにより,次に表示される「安定性」ダイアログにおいて変動率(工程の標準偏差と測定システムの標準偏差との比)が表示されます.なお,この解析例では工程の標準偏差は入力しません.
「初期設定」ダイアログの「OK」ボタンを押すと,「安定性」ダイアログが表示されます.「安定性」ダイアログには,測定システムの標準偏差,変動率(工程の標準偏差を入力した場合のみ)が表示されます.
この解析例では,測定システムの標準偏差は0.390となります.
「安定性の解析」においては,管理図の種類として,xbar-R管理図,xbar-s管理図,x-Rs管理図が用意されています.そして,管理図においては,層別,安定状態の判定,管理限界線の変更,表示する群の数の変更などの機能があります.
また,管理図表示後,変動率やかたよりを表示することができます.
※ 「画面はJUSE-StatWorks/V4.0のものです」
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