工程管理,検査,試験などは測定データに基づいて行われます.
そのため,測定データの信頼性を確保することが重要となります.
IATF16949:2016では,適切な統計的手法を活用して測定システムを分析することを要求しており,関連マニュアル『MSA(Measurement Systems Analysis)』において具体的な分析方法や合格基準が示されています.
『MSA*1』では,以下の分析対象に対する分析方法が示されています.
対象 | 内容 |
---|---|
安定性(Stability) | 安定性は測定値の経時的なばらつきを意味します.安定性の評価は標準サンプルを一定間隔で測定し,その測定値を管理図にプロットすることにより行います. |
繰り返し性(Repeatability) | 繰り返し性は同一のパーツを同一の測定者が数回測定したときのばらつきを意味します.繰り返し性の評価はゲージR&R分析により行います. |
再現性(Reproducibility) | 再現性は測定者間の測定値のばらつきを意味します.再現性の評価はゲージR&R分析により行います. |
かたより(Bias) | かたよりは基準値(真の値)からのずれを意味します. %繰返し性に問題がなく,かつ偏りの信頼区間内に0が含まれていれば,かたよりに関しては合格とします. |
直線性(Linearity) | 直線性は測定範囲内でのかたよりの推移を意味します. 直線性の評価は各基準値(真の値)に対するかたよりの値をプロットした直線性プロットにより行います.%繰返し性に問題がなく,回帰直線の信頼区間にかたより=0の線が含まれていれば, 直線性に関しては合格とします. |
Go/Out判定ゲージ(Attribute Gage) | 良・不良のみを判定するような測定器に対する分析方法. |
MSA(測定システム解析)を用いた事例をご覧いただけます.
TDKとしてのQS-9000への取り組み
本システムの「MSA(測定システム解析)」には,安定性,繰り返し性,再現性,かたより,直線性を分析するための以下のような解析手法を含みます.
手法名 | 分析対象 | 主な出力 | |
---|---|---|---|
グラフ | 統計量 | ||
グラフによる解析![]() |
繰り返し性 再現性 |
|
|
安定性の解析![]() |
安定性 |
|
|
かたよりの解析![]() |
かたより |
|
|
直線性の解析![]() |
直線性 |
|
|
ゲージR&R![]() |
繰り返し性 再現性 |
|
|
なお,上記の各手法の出力は『MSA*1』に準拠しています.
こちらの手法を搭載した 「JUSE-StatWorks」の体験版をお試しください.
JUSE-StatWorksをご購入いただいた方や有償サポートサービス契約者の方には,割引サービスがあります.また,学生,教員,研究機関職員の方向けのアカデミック価格もございます.
実務に役立つシリーズ 第2巻 『管理図・SPC・MSA入門』 | |
---|---|
![]() |
SPCやMSAを使った日常業務の効率化と,StatWorksを使った事例など |
棟近雅彦 監修 / 奥原正夫・加瀬三千雄 著 | |
定価 3,190円(税込) | |
サンプルデータ公開中 ダウンロードへ |
イベント案内や製品などの最新情報をお届けします