二元配置分散分析は,ある特性値に対して,2つの因子の影響を調べる場合に用いる手法です.ある特性値に影響を及ぼすと考えられる原因のうち,2つの因子A(l水準),因子B(m水準)を選び,各水準の組合せ(l,m通り)における繰り返し数をr回とした場合,全部でl×m×r回の実験をおこないます.この時,実験の順序は完全にランダムに行う必要があります.このような実験を二元配置実験と呼びます.
ここで,r=1の場合には,因子A,Bに関し,l×m通りの組合せがありますが,これらをランダムに1回ずつ行う場合を繰り返しのない二元配置と呼び,r≧2の場合を繰り返しのある二元配置と呼びます.
二元配置では,因子がAとBの2つになるため,AとBの主効果のほかに,A,Bの組合せによる交互作用と呼ばれる効果を考慮する必要があります.また,繰り返しのある二元配置では,交互作用を誤差と分離して求めることができるため,交互作用の存在が予測される場合には,繰り返しのある二元配置実験を行うとよいでしょう.
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実験データ | データプロットのウィンドウが表示されます.各因子の主効果や交互作用などを視覚的に確認することができます.「グラフ種類指定」のオプションから,「データプロット」の表示方法を切り替えることができます. |
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分散分析表 | 要因Aおよび誤差項に対し,平方和,自由度,不偏分散,分散比,検定結果,寄与率などを表の形にして表示します.各要因あるいは交互作用について,誤差に対して各水準の母平均に有意な差があるかどうかを検定します.説明のため,仮に各因子をA,B,交互作用をA*BとするとSA,SB,SA*B,Seをそれぞれの自由度φA,φB,φA*B,φeで割ってVA,VB,VA*B,Veを求め,不偏分散の比を各A,B,A×Bにて求めます. Aの場合を例にとり説明すると,データから計算されたF0=VA/Ve,を自由度φA,φeのF分布の上側α%の値F(φA,φe,α)より大きくなるかどうかを判定します.本システムでは,このα(危険率)を5%または1%として検定します.また,寄与率(各要因効果の全変動に占める割合)も表示することができます. |
推定値 | 分散分析の結果,有意と判断された場合,具体的にどの水準の平均が高く,どの水準が低いかは不明です.そこで,各水準の母平均の推定を行います.推定値プロットでは,各水準ごとに母平均と信頼区間を推定し,視覚的に確認を行うことができます.推定式に交互作用を取り入れる/取り入れないも選択できます(表示因子が2因子のとき). |
残差 | データの中に異常値や外れ値が含まれているかどうかのチェックを行います.表示させたい残差t値の基準値を,自由に指定できます.正規確率プロットで確認することもできます. |
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