直交表とは,任意の2因子(列)について,その水準のすべての組合せが同数回ずつ現れるという性質をもつ実験のための割り付け表です.
一般に多元配置の実験では,少なくとも因子の水準数の積の回数だけ実験数が必要になり,因子数が多くなると実験回数は膨大な数になってしまいます.
ところが,求める交互作用が少なければ,直交表を用いることによって,多くの因子に関する実験を比較的少ない回数で行うことができます.
直交表には,いろいろなものがありますが,これを表すのに一般にLN(PK)という記号を用います.Lは直交表を表す記号(LATIN SQUAREに由来)であり,Nは実験の大きさ(直交表の行数),Pは因子の水準数Kは直交表の列数を示しています.関係式は,N-1/P-1=Kとなります.
実験計画手法(DOE)の考え方,またソフトを使う上での利点についての資料をご覧いただけます.
下記はある薬品の収量について,影響しそうな要因を選び,L16の実験で得られたデータです.測定を2度行いましたので,「測定に繰り返しのあるデータ」として解析します.
わりつけ情報はワークシートに登録してありますので,変数指定の際に一緒に選択します.
StatWorksのメニューから[手法選択]→[実験計画法]→[直交配列表]を選択します.「ワークシート上のデータを分析」を選び,必要な変数を選択します.
「因子数・水準数」ダイアログでは,上部のコンボボックスで因子数を,表の右端列のセルで水準数を変更することができます.必要に応じて因子名を設定します.
「実験種類の指定」ダイアログでは分割法かどうかや測定の繰り返しの有無を指定します.実験の繰返しがある場合は,チェックを付け,繰返し数を選択します.
「わりつけ」ダイアログでは,使用した直交配列表の指定および,主効果を割り付けた列の指定を行います.
直交配列表の指定は,画面上部のコンボボックスで行います.なお,ワークシート上のデータを分析する場合は,ワークシート上のサンプル数から自動的に設定されます.
[わりつけ設定支援]ボタンを押すと「交互作用の指定」ダイアログが表示され,考慮する交互作用を指定したり,主効果をわりつけた列番の指定などができます.
「計画の指定」ダイアログの計画種類で[分割法]を指定している場合は「わりつけ」ダイアログの後に「次数の指定」ダイアログが表示されます.
ここで入力したわりつけ情報はワークシートに保存できます(同じ条件で解析を行う場合に便利です).分割実験の場合は,わりつけた因子について分割次数を設定できます.
効果表と効果プロットでわりつけられた各列の水準平均,要因効果,平方和を確認します.
分散分析表では,分散比を確認しながら,有意ではない要因を誤差にプーリング(誤差項に組み入れること)を行います.分散分析表の上でプーリングしたい要因をマウスでクリックし反転表示させ[プーリング]ボタンをクリックします.
測定の繰り返しがあるデータの場合には,分散分析表の下段に,誤差(実験誤差.分割実験の場合は「1次誤差」「2次誤差」…と表示)と測定誤差が順に表示されます.
推定では,分散分析で有意となった要因DEと,その主効果D,Eを推定式に取り込んだ時の,全ての水準の組合わせについて推定値を計算してみます.
DEの各水準が,21の場合に,推定値が71.5350で最大となります.逆に11の場合は54.4350で最低となります.また,推定値プロットは下記のようになります.
推定値プロットの表示を切り替えると,交互作用の有無を確認できます. DEに強い交互作用があることが推察できます.
本システムでは下記の直交表を解析できます.
2水準系直交表 | L8,L16,L32,L64の各直交配列表について解析できます |
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3水準系直交表 | L9,L27,L81の各直交配列表について解析できます |
混合系直交表 | L12,L18,L36の各直交配列表について解析できます |
その他 | 分割法,多水準法,擬水準法,測定に繰り返しがある場合も解析可能 |
わりつけと 分割実験 | 各列への因子のわりつけ,分割の指定(分割実験の場合)を指定します |
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要因効果表 | わりつけられた各列の水準平均(1,2,3水準),要因効果(1,2,3水準),平方和が表示されます.別ウィンドウを開き,「効果プロット(要因の効果をグラフ化した図)」が表示できます |
分散分析表 | 指定したわりつけをもとに分散分析表を計算して表示します. |
推定値 | 分散分析表の上で選択された因子および交互作用を推定式に取り込み,推定値の計算を行います.計算された全ての組み合わせの推定値,95%信頼区間,および推定値の最大値/最小値が一覧表示されます.別ウィンドウを開き,「推定値プロット(推定値をグラフ化化した図)」が表示できます |
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