累積法とは,実験計画法の一手法であり,特性値が計数値データ,すなわち,特性値が1つ以上のクラスの発生件数である場合の解析方法です.
累積法では,分類するクラスに対し,「優・良・可」のように順序があることを前提としています.もし分類するクラス間に,「赤・青・黄」のように順序がない場合には,「度数法」と呼ばれる解析方法となります.
例えば,L8実験で特性値が順序のある3クラスに分類される場合(累積法)の実験は,下表のようになります.ここでは試料の総数は30個で,それぞれのクラス(可・良・優)に含まれる計数値を各列に入力します.
No. | 列番 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 A |
2 B |
3 A×B |
4 C |
特性値 | ||||
可 | 良 | 優 | ||||||
内 側 計 画 |
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 6 | 22 |
2 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 4 | 25 | |
3 | 1 | 2 | 2 | 1 | … | … | … | |
4 | 1 | 2 | 2 | 2 | … | … | … | |
5 | 2 | 1 | 2 | 1 | … | … | … | |
6 | 2 | 1 | 2 | 2 | … | … | … | |
7 | 2 | 2 | 1 | 1 | … | … | … | |
8 | 2 | 2 | 1 | 2 | 4 | 5 | 21 |
例)No.1の条件(A1B1C1)では,試料30個のうち,「可」と判定されたサンプルが2個,「良」と判定されたサンプルが6個,「優」と判定されたサンプルが22個
StatWorks/V5マニュアルより一部を抜粋・加工した直積法の解析事例です.
「直積法」で分析可能な因子数,計画種類などは下表の通りとなります.
No | 設定項目 | 仕様 |
---|---|---|
1 | 因子数 |
|
2 | クラス数 |
|
3 | データ種類 |
|
4 | 計画種類 |
|
5 | 分析方法 |
|
6 | 変数指定 |
|
また,累積法の解析結果画面のタブ構成と各タブの主な出力項目,統計量は下表のようになります.
No | グループ | タブ | 主な出力項目・統計量 |
---|---|---|---|
1 | 実験データ | 実験データ | 実験条件,度数,累積度数 |
2 | データプロット | 要因毎の帯・折れ線グラフ,実験No毎の帯・折れ線グラフ | |
3 | 統計量 | n数,度数合計,累積比率 | |
4 | 因子名・水準名 | 特性名,因子名,水準名(編集可) | |
5 | 分散分析表 | 分散分析表 | 分散分析表(平方和,自由度,分散,分散比,p値,寄与率) |
6 | 推定値 | 推定値プロット | 推定条件一覧グラフ(帯・折れ線),要因効果図(帯・折れ線) |
7 | 推定値 | 累積比率の点推定値,95%信頼区間 | |
8 | 差の推定 | 推定値の差(点推定値),lsd,検定結果 | |
9 | 残差 | 残差一覧表 | 実測値,推定値,残差,残差t値 |
10 | 正規確率プロット | 残差t値の正規確率プロット |
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