QC手法のうちでもっとも易しく,目で見て誰にでもわかりやすいものです.さらに,「身の回りにある問題の95%は,QC七つ道具をうまく活用すれば解決できる」といわれるほど強力な手法です.
QC七つ道具には以下のような機能があります.
あるひとつの結果(特性)とその原因として想定されるものを図で整理したものです.複雑に絡み合った原因を統計的に整理し,究明を効率よく進めていく場合によく用います.魚の骨のように体系的にまとめた図なので,"FISH BONE DIAGRAM"とも呼ばれます.
StatWorksでは,重点項目のマーキング,重点範囲の拡大表示が可能です.
問題(不良件数,損失金額など)を現象や原因別に分類してデータを取り値の大きな順で並べ,棒グラフと累積構成比の折れ線グラフで表すものです.どの項目が一番問題なのか,全体の損失に占める割合はどれくらいかなどを見つけることができます.
StatWorksでは不良件数,単位当たりの損失金額のパレート図,層別*1パレート図を描くことができます.また,任意の層別パレート図を統合拡大できます.
数量化できる要因や特性のデータを,そのデータが存在する範囲をいくつかの区間に分け, その区間の幅を底辺とし,その区間に含まれるデータの度数に比例する面積を持つ柱(長方形)を並べた図であり, QC七つ道具の中でもよく使われる手法です.
ばらつきを持った数多くのデータの全体の姿(分布)を,形を見やすく表すことができます.データ解析においては,いろいろな特性値についてヒストグラムを作成したり,1つの特性値をいろいろと層別*1して検討することが重要です.
「層別」は,各技法におけるデータ取り扱いの考え方です.
集めたデータを共通の要因の影響を受けているグループごとに分けることで,グループの差異がわかり,要因の特定や管理がしやすくなります.主な分け方は,作業者別,機械別,事業所別,材料別,時間別などです.
※ 「層別」が七つ道具の一つに数えられる場合もあります(その場合はグラフと管理図を一つの手法としています).
工程における偶然原因によるバラツキと異常原因によるバラツキを判断して,工程を管理するために考案されたものです.
1本の中心線(CL)とその上下に合理的に決められた管理限界線(UCL,LCL)からなっています.工程の状態を表す特性値がプロットされたとき,すべての点が上下2本の管理限界線内にあり, 点の並び方に傾向がなければ工程は“安定状態にある”とみなすことができます.
一方,点が限界外に出た場合, また,点の並び方に傾向が現れた場合には,工程は“管理状態にない”といい,工程に異常状態が生じていると判断して, その原因を調べて処置をとる必要があります.
管理図は,工程管理用として工程が管理状態か否かを判断する有用な道具ですが, 工程解析の手段としても広く使われています.
散布図は,「対になった2組のデータxとyをとり,xとyをグラフのそれぞれの軸にとって,データをプロットしたもの」です.
散布図上の点の散らばり方によって,2変数間の相関の有無を知ることができます.相関関係の有無を把握することは,工程の管理や改善を行う上で非常に有用です.
例えば,ある化学反応を生成する工程において,もし反応温度と収率との間に密接な関係があるならば 収率を高めるために反応温度をよく管理しなければならないと判断されます.
私たちの身の回りにはたくさんのデータや統計資料がありますがグラフは,文章や数値を克明に読む煩わしさがなく,データの傾向や関係,対比等が容易に理解できる利点を持っています.どのようなグラフを選んだらよいかは,データや統計資料で何を知らせ,何を表現したいかによります.
解析の作業の前にはデータ収集が不可欠ですが,忙しい職場ではデータ収集ができず,経験やカンに頼った処置に頼りがちです.チェックシートは,「データの収集が容易にでき,そのデータを整理しやすいようにあらかじめ設計されているシート(式紙)」です.
ミスを防止するために,点検項目や確認項目,記録や調査の内容を,漏れなく合理的にチェックできる様式を用意します.
※ JUSE-StatWorksにはチェックシートの機能はありません
QC七つ道具の教育・学習には,StatWorksによる新品質管理入門シリーズ 第1巻 「QC七つ道具,検定・推定入門」をご利用ください.ダウンロードサービスに,書籍用体験版(30日間限定)とサンプルデータをご用意いたしております.
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