固有技術の力を借りて変数変換を行う事をお薦めします.
電気メッキ法を用いた金メッキ工程を例に説明します.
この工程では,メッキ浴に金を含む電解液を満たし,メッキ処理を施す製品数個を溶液中にいれ,電流を流し,金を製品の表面に析出させる事でメッキ処理を行います.金メッキ膜厚をyとし,メッキ浴に対する通電時間をx1,メッキ浴で一度に処理される製品の個数をx2とします.
この時,メッキ膜厚y,通電時間x1,処理個数x2の関係はファラデーの法則より
y = k * x1 / x2 (1)
で表される事になります.
なお,kはファラデー定数,金濃度,製品の表面積等によって決まる定数で,この係数を理論的に求めるのは必ずしも容易ではありません.そこで,いくつかの実験データを使ってこの係数を推定する事を考えます.
x1,x2,yについて複数組みのデータが収集されているとします.この時,目的変数をy,説明変数をx1,x2として
y = b0 + b1 * x1 + b2 * x2 (2)
なる回帰式を盲目的に求める事は,先のファラデーの法則から言って妥当なものではありません.
式(1)の場合には,y,x1,x2に対数変換を施しlog(y) = log(k)+log(x1)-log(x2)とし,未知母数log(k)を推定する,あるいは,新たな変数z = x1/x2を作成し
y = kz (3)
として未知母数kを推定する事が得策でしょう.
変数変換にはいろいろなやり方がありますが,現実的な問題としては,まずは,上記の様に固有技術モデルに基づいて変換を考える事をお薦めします.
更新日 | 2011年11月15日 |
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FAQ番号 | 70008 |
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