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水準数や水準の取り方について(よくあるご質問)

Q. 実験から得られる水準数や水準の取り方について注意すべき点を教えてほしいのですが.

A.

一般に,水準数を多く取った実験を行う方が水準間の差を精度よく検出するという意味では得られる情報は多くなるものの,その分実験数が増えるのでコストや実験工数等の制約を受けます.

2水準系直交配列表実験では主に2水準の因子を扱いますが,計量的な因子なのに2水準しか設定しないというのは3水準以上を入れると,計画の構成などが面倒になるという理由からです.

水準をどのように設定するかは実験結果に本質的な影響をおよぼします.このことを図1に示したいくつかのパターンに基づいて説明します.Aは計量的な因子とし,横軸がAの水準を表します.それぞれの母平均は図1に示した直線ないしは曲線上にあるとします.

まず,2水準の場合を考えます.図1(a)のように水準間隔が狭い場合には有意になりにくく,図1(b)にように水準間隔を広く取った場合には有意になりやすい.このことは直感的に明らかですが,理論的に説明することもできます.分散分析表のE(V)において,


であるから,図1(b)の方が図1(a)の場合よりもの値は大きくなります.したがって図1(b)の方が図1(a)の場合よりもVAの値が大きくなって有意になりやすくなります.

ただし,これは母平均が直線的に変化する場合です.母平均が曲線的に変化する場合には,水準幅の広い方が有意になりやすいとは限りません.図 1(d)の方が図1(c)の場合よりも水準幅を広く設定していますが,有意になりにくいのです.

次に,3水準の場合を考える.図1(e)のように設定できれば理想的です.ピークの値を最適水準としてとらえることができます.図1(f)の状況だと有意になりますが,本当の最適水準とは異なるA3水準を最適と考えることになります.3水準を設定した場合には図1(g)のようになっていない限り,母平均の変化を検出しやすいという強みがあります.

交互作用についても,どのように水準設定するのかにより結果は大きく異なってきます.図1(h)のように水準設定を行うと交互作用は有意になりません.一方,図(i)のように水準設定を行うと交互作用は有意になります.

更新日2011年11月15日
FAQ番号90002
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