MSAの本来の目的は,対象とする試験システムの誤差精度を管理することにあります.MSAの要求事項の一つに「直線性」があるように,試験システムが測定可能範囲全てについて,精度を調べなければなりません.
一方,ゲージR&Rは,試験システムの精度を調査するついでに,工程ばらつきも同時に調べようという発想から作られているものです.その意味からすると,評価に使用するパーツを工程からランダムに選ぶ方が,工程性能評価という意味では正しいと考えられます.
しかし,本来のMSAの目的である試験システムの正常性・妥当性を調べるという意味から考えると,もしパーツのばらつきが非常に小さくて工程能力指数が大きい場合,試験システムが測定できる範囲の中の一部分しか精度を調べていないことになり,試験システムを管理するという意味で不適切な管理方法といえます.少なくとも,製品規格の全ての範囲を調査できるように,評価用の製品はまんべんなくばらつかせた方がよいと考えられます.
規格値を超えるパーツを含む件についても上記の考えと同じです.検査結果には
の2つのミスがあります.
試験システムは,この二つのミスが必ず発生します.試験システムを管理する責任者は,試験システムの αミス と βミス がどのくらいなのかを把握しておかなければなりません.そのためには,規格外れの製品を使って評価する必要があります.
更新日 | 2014年10月15日 |
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FAQ番号 | 14433 |
カテゴリー | 手法・操作編(工程分析) この手法の解説ページへ |
対象製品 | JUSE-StatWorks/V5 JUSE-StatWorks/V4.0 |
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