時系列データは以下の4つの変動成分で構成され,それらが合成されてできている,という見方をします.
変動成分 | 内容 |
---|---|
長期変動 | 経済成長などの上昇もしくは下降などの一方向的な傾向を持続する長期的かつ系統的な変動. |
循環変動 | 景気変動などの循環的変動で,周期が1年を越す場合を指す. |
季節変動 | 季節によって左右される,1年を周期とした循環変動.また,同じサイクルで繰り返される週内・日内などのパターンも,季節変動として同様な処理ができる. |
不規則変動 | 上記以外の変動.ランダムノイズとされ,期待値(平均値)は0と仮定される. |
時系列グラフでは,横軸を,時点変化を示す時間軸とし,縦軸に分析対象としている変数の値を対応させ,生の値やその加工指標の値の時間軸上における変化のパターンを解釈します.また,1つの時系列データの自己相関や,2つの時系列データの相互相関をラグ(遅れ)を交えて確認します.
週ごとの売上高と広告投入量のデータがあります.1列目は週,2列目は売上高,3列目は広告投入量です.
図1.週ごとの売上高と広告投入量のデータ
メニューバーから[手法]-[時系列解析]-[時系列グラフ]を起動します.変数の指定画面でサンプル名の「週」,量的変数の「売上高」と「広告投入量」を指定します.
横軸に時間軸(週),縦軸に売上高や広告投入量の値をとった時系列グラフが表示されます.
ここで,広告費の影響は何時点か遅れて売上に寄与しているのでは?と考えます.そこで,時点をずらした2系列データ間の相関(時差相関)を調べてみます.(ラグの設定)ラグとは複数の時系列データがあった場合,一方の時系列に対して,もう一方の時系列の「遅れ」を意味します.
メニューボタン「ラグ」を押します.「ラグ」ダイアログが表示されるので,固定する変数を指定して「相互相関から」ボタンを押します.ここでは売上高を固定し,広告投入量にどれ位のラグがあれば,相関が高くなるかを確認します..
ラグが1の時,相互相関係数は0.867で最も高いことが分かります.つまり,1週間遅れて,広告投入量の効果が売上によく反映されていることが分かります.
それでは,売上高と,1週間遅れ(ラグが1)の広告投入量の時系列グラフを並べて,変化のパターンを確認してみましょう.「相互相関係数の一覧」ダイアログを「OK」ボタンで閉じると,「ラグ」ダイアログに戻ります.広告投入量のラグに"1"を設定して「OK」ボタンを押します.
図5.ラグの設定
売上高と,1週間遅れ(ラグが1)の広告投入量の時系列グラフを並べて,変化のパターンを確認することができました.
グラフより,売上高と1週間遅れの広告投入量がある程度連動していることが読み取れます.
※ 「画面はJUSE-StatWorks/V4.0のものです」
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