許容差解析は,パラメータ設計により得られた最適条件において影響が大きい誤差原因(劣化や使用環境など)を把握することを目的とします.
許容差解析は,誤差原因を直交表にわりつけ,各条件において得られたデータを分散分析することにより誤差原因の影響の大きさを評価します.
本システムの「許容差解析」では,分散分析表の表示,分散分析表における変動の分解(一次効果と残りの効果への分解)を行うことができます.
実験計画手法(DOE)の考え方,またソフトを使う上での利点についての資料をご覧いただけます.
ここでは,パラメータ設計の解析例(ダイカスト用金型設計における設計パラメータについての最適条件の探索)で得られた最適条件に対して許容差解析を行います.
すなわち,パラメータ設計より最適条件A2B2C2D3E3F2が得られましたが,因子A~Fがこの水準を中心としてばらついた場合にどの因子のばらつきがアルミニウム合金の充てん時間に影響を与えるのかを把握します.
この解析例では,因子A~Fの水準を以下のように設定します.
因子 | 水準 | ||
---|---|---|---|
A | 6480 | 7200 | 7920 |
B | 135 | 150 | 165 |
C | 19.47819 | 19.63495 | 19.79235 |
D | 0.72 | 0.80 | 0.88 |
E | 0.675 | 0.75 | 0.825 |
F | 40.5 | 45 | 49.5 |
そして,因子A~Fを直交表L18の2~7列にわりつけて,実験を行っています.
実験で得られたデータを一つの変数(量的変数)に入力します.また,わりつけ情報を別変数(サンプル名)に入力し,解析に使用することができます.
メニュー[手法]-[実験計画法]-[品質設計(タグチメソッド)]-[許容差解析]を選択すると「変数の指定」ダイアログが表示されますので,解析に使用する変数を指定します.
この解析例では,データが入力されている量的変数を1個,わりつけ情報が入力されているサンプル名を1個指定します.
変数の指定を行い「次へ進む」ボタンを押すと「直交表選択」ダイアログが表示されます.
本ダイアログで解析に使用した直交表を選択します.この解析例ではL18を選択します.
直交表の選択を行うと「目標値入力」ダイアログが表示されます.
目標値との差を分散分析する場合は本ダイアログで目標値を入力します.この解析例では,目標値として0.04を入力します.
「目標値入力」ダイアログの「OK」ボタンを押すと「わりつけ」ダイアログが表示されます.「わりつけ」ダイアログでは,実験の際に各誤差因子を直交表のどの列にわりつけたのかを設定します.ダミー法を使用した場合は,その情報も本ダイアログ上で設定します.
この解析例では,2~7列に因子A~Fをわりつけて実験を行っています.
「わりつけ」ダイアログの「次へ」ボタンを押すと分散分析表が表示されます.特に,この分散分析表においては,各要因の変動を一次効果と残りの効果に分解することができます.
この解析例では,因子Bの一次効果が充てん時間に最も影響を与えていることが分かります(図は各因子の変動を分解し,効果が小さい要因は誤差にプーリングした後の分散分析表です).
項目 | 機能 |
---|---|
直交表の種類 | L12,L18,L36(3^13) |
わりつけ技法 | ダミー法 |
結果出力 | 分散分析表(一次効果と残りの効果への分解機能含む) |
※ 「画面はJUSE-StatWorks/V4.0のものです」
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