グローバリゼーションが進み,製薬・製造業界の生産管理や品質管理が大きく変わろうとしています.統計的方法を用いて,より良い品質基準・管理の方法を求める動きが始まっています.
2009年8月7日に開催された本講演会では,GMP・バリデーションの専門家をお招きし,製薬・製剤業界における継続的品質改善についての講演を行いました.
当日は80名以上の方々にご参加いただきました.以下に,ルポをご紹介します.
開催日:2009年8月7日(金) 会場:更生保護会館(千駄ヶ谷)
時間 | テーマ | 講演者 |
---|---|---|
13:00~ 13:10 |
開会挨拶 | (株)日本科学技術研修所 |
13:10~ 14:40 |
講演 『GMPとバリデーション強化のための統計的手法の活用』 |
吉武 一氏 (日本化薬株式会社 顧問) |
14:50~ 16:00 |
報告 『製造現場のIT活用と製品検査情報システムJUSE-QIMS』 『JUSE-StatWorksによる製造現場の統計的活用』 |
(株)日本科学技術研修所 |
「GMP(Good Manufacturing Practice)」は医薬品や医薬部外品等が出荷されるまでの過程で,製品が適切かつ安全に作られ,安定して一定の品質が保証されることを目指した,医薬品等の省令です.
なかでも,「バリデーション」はプロセスの妥当性確認と言われ,より良い製品品質を確保する製造技術として大切な考え方です.
GMPの利益として下記のことが挙げられます.
今日,ものづくりのグローバル化が進み,製薬・製造業界の生産管理や品質管理の在り方・考え方も大きく変わろうとしています.即ち,お客様が期待するより良い製品品質を確保するため,統計的方法等を用いた継続的品質改善の力量と,その実践が求められています.
GMPやバリデーションにおける,管理図をはじめとしたQC七つ道具や工程分析,検定,回帰分析などの統計的手法の活用が紹介されました.
「海外の文化と日本の文化の違いからGMPの『品質』を本質的に理解しやすかった.とてもダイレクトな話でおもしろかったです」,「統計的な話の中に詳しいデータの部分もあり非常に有用であった」などの,体験に根ざした内容で勉強になったというご意見をいただきました.
JUSE-QIMSは品質検査,品質管理業務において最適なソリューションを提供するソフトウェアであり,製品規格管理,検査データ合否判定,試験成績書の作成,品質データ集計分析機能などを備え,品質データの一元管理と品質管理業務の高度化・省略化を実現します.
現在,化学・食品メーカ13社・33事業所で導入中であるJUSE-QIMSの概要とシステムフローについての説明がされました.
「大変便利なシステムだと思った.特に特性要因図に結果を整理できるのが良いと思いました」,「試験結果の処理~判定までを円滑に行えるシステムであると感じた」とのご意見をいただきました.
統計解析をめぐる最近の変化から始まり,GMP・バリデーション管理にみる統計的手法の活用についてまとめました.
近年,統計が中学・高等教育で必須科目となり,単に計算ができる能力ではなく,データを利用するためのデータ解析力が求められています.更に,企業でも,技術者の基本スキルとして統計的方法を教える傾向が出てきています.
一方,GMPやバリデーション*において,それぞれの目的に応じて,管理図や回帰分析,ヒストグラム,検定推定,分散分析,特性要因図等の統計的手法を活用することが必要となってきています.
統計的品質管理・改善(SQC)のツールであるJUSE-StatWorksはGMP・バリデーション管理に有効な機能が豊富に搭載されており,是非ご活用いただきたい,との紹介がされました.
「事例の説明があり,理解しやすかった」,「試験結果の見える化により,製造現場へのフィードバックに役立てることができると感じた」とのご意見をいただきました.
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