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【ルポ】キャリアアップにつながる統計教育講演会

「問題解決力」は企業人として生きるための必須スキルです.必要な場面でデータを収集・分析し判断をした上で対策案を導くには,論理的な思考力と統計的なものの見方を身につける必要があります.これらの問題解決力は,在学中あるいは入社後の早期に習得することが期待されます.

さて,2009年8月6日に開催された本講演会では『問題解決力』や『統計』『キャリアアップ』をキーワードに,「仕事で統計やデータ分析がどのように使われているのか」,「どのようなスキルを身につければ良いのか」に関して,企業側から企業側からパナソニック株式会社セミコンダクター社の清水貴宏氏,専門家・教育者の立場から立教大学経営学部の山口和範教授をお迎えしてご講演いただきました.また,弊社からはStatWorksを実務に活用する視点を加えた報告をいたしました.

当日は100名以上の方々にご参加いただきました.以下に,ルポ形式でご紹介します.

講演会概要

開催日:2009年8月6日(木)

時間 テーマ講演者
13:00~13:10 開会挨拶 (株)日本科学技術研修所
13:10~14:10 講演1
『企業における統計的な問題解決力と人材育成』
清水 貴宏氏
(パナソニック株式会社
セミコンダクター社)
14:20~15:30 講演2
『キャリア形成における統計を学ぶことの意義』
山口 和範氏
(立教大学 教授)
15:30~16:00 報告
『JUSE-StatWorksによる実践的な統計教育活用術』
(株)日本科学技術研修所

【講演1】企業における統計的な問題解決力と人材育成
清水 貴宏氏(パナソニック株式会社 セミコンダクター社)

概要

写真:清水 貴宏氏(パナソニック株式会社 セミコンダクター社)
清水 貴宏氏

統計的品質管理(SQC)の必要性から始まり,SQC教育に携わって感じたこと,パナソニック・セミコンダクター社におけるSQC人材育成,学校教育と企業教育についての考察を話されました.

私たちの周りには情報(データ)があふれていて,これらを適切に処理することが求められています.データには「ばらつき」があり,「ばらつき」を持った情報を扱うための基盤知識が,統計的品質管理(SQC)となります.

SQC教育に携わっていると,「同じ条件で造っているのに問題が発生している」という相談をよく受けます.これはそもそも「同じ」という認識に間違いがあり,まず,どんなものにも様々な「ズレ」が存在しているということを理解するのが重要です.さらに,「ズレ」には問題に発展するズレと問題に発展しないズレがあり,これは「許容差」の範囲内かどうかで決まってきます.

パナソニック・セミコンダクター社ではそうした「ズレ」,「ばらつき」の考え方を含む基礎的な統計的知識をしっかり身に付けた上で,実践力や問題解決力を育てる教育を行っています.

以上,科学的なモノづくりの重要性や,体系的なSQC教育について丁寧に説明されました.

発表資料『企業における統計的な問題解決力と人材育成』

参加者のコメント

実際の現場の話で説得力があり,「ばらつきの考え方を浸透させることの重要性や,社内での教育方法が参考になった」,「実業務で統計手法をどのように活用するかというイメージが沸いて分かりやすかった.」との意見を多数いただきました.

【講演2】キャリア形成における統計を学ぶことの意義
山口 和範教授(立教大学)

概要

山口 和範氏(立教大学 教授)
山口 和範教授

大学で統計学を教えている経験から,統計教育の目指すものや統計の重要性,大学で統計を学ぶことの意義について話されました.

1995年に行われた「企業から見た数学教育の重要度」の調査では,大学で学んでおいて欲しい分野のトップは統計学でした.企業が期待している人間像は「数が分かり計算ができ,データに基づいた予測と論理的な考え方を持ち,判断力があり,統計ができ,簡潔に表現できる」人材だという結果が出ました.

現在の学校教育では,データに基づく予測はそれほど強調しておらず,今後はこのような統計的思考力を強調したカリキュラムが必要となってきます.

さて,アメリカの統計学者Uttsの論文(2003)では,統計で何を学ぶべきかということと統計で陥りやすい問題点Seven Important Topics「因果の推測」,「統計的有意性」,「調査での非標本誤差への理解」,「偶然性,起こりやすさへの理解」,「ばらつきへの理解」が提案されています.

データにはバイアスがあり,データ化できたもののみの分析結果だけで結論を出すのは危うい場合もありますが,データを活用した判断力は普遍であり,「KKD+Data」力を鍛えることが重要である,ということが説明されました.

発表資料『キャリア形成における統計を学ぶことの意義』

参加者のコメント

統計学を活用している大学の内容を聞くことができ,「基礎知識として統計学的な考え方がいかに重要であるかがよく分かった」,「現状の統計の問題点と,何に注意を払うべきなのかが分かった」とのご意見を沢山いただきました.

【報告】JUSE-StatWorksによる実践的な統計教育活用術
犬伏 秀生((株)日本科学技術研修所)

概要

SQC教育や統計教育において「統計解析業務用パッケージ JUSE-StatWorks」がどのように活用されているか,導入形態や関連したSQC教育支援サービスについての紹介がされました.

JUSE-StatWorksは日本の品質管理の普及・推進の中心的団体である(一財)日本科学技術連盟のSQC教育に使われており,日本のSQC教育との高い親和性があります.JUSE-StatWorksを構成する手法には,品質管理手法,実験計画法手法,多変量解析手法,信頼性解析手法などがあり,幅広い場面で活用することができます.

コスト面でも,通常の購入に加え,期間ライセンスという貸出の制度があることで利用しやすくなっています.また,パッケージ購入後のSQC・統計教育を補完するものとして,定期的に開催する主催セミナーや,お客様のご要望に沿ってセミナーをカスタマイズする企業セミナーのサービスがあります.

JUSE-StatWorksが各企業様・各大学様でのSQC教育・統計教育の一助となれば幸いです.

発表資料『JUSE-StatWorksによる実践的な統計教育活用術』

参加者のコメント

「StatWorksの特徴や機能が分かった.社内で使える環境にあるため,今後活用してみます」,「サポート体制の厚さが印象的だった」等のご意見をいただきました.


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