本シンポジウムは,2008年8月から1年半・10回に渡った,信頼性データ解析に関する日頃の疑問や問題,テーマを取り上げ, 研鑽・研究してきた弊社主催の「信頼性データ解析研究会」の研究・検証成果をご報告・提案することをねらいとしている.
日頃行っている,信頼性データ解析方法に少しでも疑問を持たれている方などにご参加頂き,信頼性解析における最近の解析事例を交えながら,情報交換を行なった.
発表テーマ | 講演者 |
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開会挨拶 | 株式会社日本科学技術研修所 |
【講演】 本当にそれでいいのか?信頼性データ解析の誤りと諸課題への対応法 |
関 哲朗准教授 (文教大学 情報学部) |
【事例紹介】 ワイブル分析を用いた信頼性寿命予測への提案 ~サンプルサイズの影響が小さい高精度予測方法~ |
清水 貴宏氏 (パナソニック株式会社 セミコンダクター社) |
【事例紹介】 ワイブル解析に基づく地中配電機器の最適な巡視周期の検討 |
鈴木 智之氏 (東京電力株式会社) |
【事例紹介】 StatWorksを活用した保証修理情報解析手段の考察 |
嶋村 憲臣氏 (日野自動車株式会社) |
【論点整理とディスカッション】 特別講演や発表を通じて提議された信頼性データ解析を巡る課題や方法について検討する |
金子 雅明助手 (早稲田大学 理工学術院) |
(株)日本科学技術研修所 数理事業部 部長,片山清志がご挨拶をさせて頂きました.
「本シンポジウムや研究会が,ユーザーの方々及び本日ご参加して下さっている方々に対し,有益な情報交換の場となるように今後とも尽くして行きたい」と,シンポジウムに寄せる思いを表明致しました.
今日,短期設計,使用者・生活者の安全,信頼性確保の上で,信頼性データ解析は欠かせない技術となっている.設計・開発の場や出荷後の市場での「信頼性の見方」の誤りについて触れ,季節変動や廃棄率の扱い,無故障期間存在や不十分な層別がデータ解析へ及ぼす影響などを検証していく.
発表資料『本当にそれでいいのか?信頼性データ解析の誤りと諸課題への対応法』
先生のご経験に基づき,信頼性データ解析の誤りを事例を踏まえ,的確に説明して頂きました.「もう少し講演が聞きたい!」との意見が多数ありました.
お客様に対して,自社の製品の安全性について保証する責任があります.そのため,多くの企業では,自社の製品について信頼性加速試験などを行い,その結果から,実使用時の寿命を推定することで,お客様に安心してお使い頂ける製品であるかを確認して提供しています.
現在,製品の寿命を推定する方法として,一般的にワイブル分析が活用されています.現在の方法は,サンプルサイズが寿命の予測に影響を及ぼすことを明らかにしました.今回は,サンプルサイズに影響を受けにくい寿命予測の方法を確立したので,その内容と課題を報告します.
発表資料『Weibull分析を用いた信頼性寿命予測への提案
~サンプルサイズの影響が小さい高精度予測方法~』
サンプルサイズのさまざまな方法について検証し,次の課題についての提案も行なった.
電力設備は,巡視を主体とした設備保全を実施しています.膨大かつ多種多様化するこれらの設備に対し,公衆安全はもとより設備保全を効率的に運用することが求められています.
今回,地中配電機器の巡視結果データより,不具合項目別のワイブル解析を実施し,設備保全の効率に繋がる最適な点検周期の検討を実施したので紹介します.
電気供給に使用されている「地中配線機器」の最適な巡視周期について,検討されその結果を報告された.生活に密着した非常に分かりやすい内容であり,今後の解析にさらに期待したい.
自動車の信頼性は企画開発,試作,各種評価などにより検証されているが,市場での信頼性は使用期間と走行距離で保証されています.
品質を保証する上で製品が市場で期待通りの信頼性を有しているかを把握することは重要な責務です.今回,保証修理情報(故障発生時の使用期間・走行距離)をモニタリング,CHM,ワイブル確率紙等,StatWorksの各種機能を用いて解析する手段を考察したので報告します.
自動車における保証修理情報を用い,簡単に信頼性解析ができるかを検証することが目的である.
今回,「保証修理情報から部品改善効果確認と故障発生予測ができること」「車両走行分布を考慮し,ワイブル解析ができること」が目標であり,保証修理情報をCHM,ワイブル確率紙により解析され,情報の特徴や部品改善効果の確認,故障発生予測を行なうことができた.
早稲田大学理工学術院 金子先生の司会のもと,講演者の関先生や事例発表者の3人にも加わって頂き,信頼性の諸問題や今後課題について,フロアーを交えディスカッションを行った.
なお,休憩時間など今後の機能改善の要望検討など有意義な時間をすごしていただけたかと思います.
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