H.I.
統計解析技術者H.I.
日本のものづくりを支えてきた品質管理用統計解析ソフトを開発
あまり知られていませんが、当社は日本のものづくりに重要な役割を果たしてきた会社です。当社の母体である一般財団法人日本科学技術連盟(日科技連)は、1946年の発足以来、製造業の品質管理向上のために先頭に立ってきた組織で、この連盟が選定する「デミング賞・石川賞」は“品質管理分野のノーベル賞”と称されるほど権威があります。
その日科技連が提唱する統計的手法を用いた品質管理は、日本を代表するメーカーの多くに採用されています。そこで使われる統計解析パッケージソフト「JUSE-StatWorks」の開発・改善が、データサイエンス部の重要な業務です。品質管理に使える国産統計解析ソフトは他にほとんど例がなく、当社製品が事実上の標準ソフト(デファクトスタンダード)なのです。
ただソフトを開発・改良するだけでなく企業へのコンサルティングも重要な仕事
たとえばネジを作る場面を想像してください。何度で溶かした金属を型に入れてこんな条件で冷まして、こんなふうにネジ山を切ったら、ネジの重さや強度にこんなバラツキが出た、といった数値が各種センサーから出ます。それをこのソフトに入力すると、どんな条件だと最も良品が多く、どんなときに不良品ができやすいかを解析してくれます。原因と結果の関係性を示してくれるのです。
会社によって製造物は千差万別なので、ただソフトを提供するだけでなく、「こう使ってはどうか」というコンサルティングも行っています。私も入社して10年ほどはパッケージの改良を担当していましたが、近年は企業へ赴いて話す機会が増えました。とても刺激的です。
品質管理のスタンダードとなったソフトの知見を生かし、ビッグデータ時代に対応せよ。
若者には、従来のパッケージの延長上にない次世代ビッグデータへの対応を期待
実は、これから入社する若者たちにぜひお願いしたい仕事があるのです。それは、ビッグデータへの対応です。製造業の現場では、ここ数年で一気にIoTの導入が進み、圧倒的な量のデータが手に入るようになりました。しかし、それで何を実現するかは、メーカー側も検討を始めたばかりです。
これまでも製造現場や統計手法は次々と変化・進化し、パッケージもそれに合わせてバージョンアップし続けてきました。しかし、現在の変化は過去と比較にならないほど大きなもので、おそらく今のパッケージの延長線上にない製品やサービスが必要になります。もちろん私たちベテランもそこに挑みます。けれど次世代の製品は、次世代の人材が中心になって作るべきだと思うのです。
学ぶチャンスが多く、成長できる会社
世に役立つ製品を作れる、幸せな仕事
もちろん、すぐに新たなパッケージの開発などできるはずもありません。統計手法の勉強や開発言語の習得などに、おそらく3年ほどはかかるでしょう。ただ変革期の今、ここをなるべく早く通過してほしいと期待しています。大変でしょうが、我々も全力でサポートしますので、ぜひとも早く成長してください。
日科技連のセミナーを含め、学びの場が社内外に数多くあるのも当社の特徴です。でも、一番勉強になるのは、クライアント企業への訪問だと思います。当社のような小さな会社では、普通ならお付き合いできない巨大企業ばかりで、本当に教わることが多いのです。こうした企業を支える、つまりは広く世の役に立つ製品を形にできる、幸せな仕事です。