タグチメソッド(タグチメソッド)のパラメータ設計は,安定性のある設計を目指し,使用条件や環境条件の影響がなるべく小さくなるような設計パラメータの水準を探索することを目的とします.
パラメータ設計では,誤差因子や信号因子を外側にわりつけて実験を行い,得られたデータから内側因子(制御因子や標示因子)の各条件ごとにSN比を求めます.そして,求められたSN比を用いて解析を行い,SN比が最もよくなるような内側因子の水準を求めます.
本システムの「パラメータ設計」では,入力された実験データに対し特性の種類に応じたSN比の算出(動特性,望目特性の場合は感度も算出),要因効果図の表示,分散分析表の表示,推定値の算出を行うことができます.
実験計画手法(DOE)の考え方,またソフトを使う上での利点についての資料をご覧いただけます.
ここでは,『品質工学講座4 品質設計のための実験計画法』153ページからの事例(「ダイカスト用金型設計」)に基づいた解析例を示します.
この事例では,ダイカスト用金型設計において,金属キャビティ内へのアルミニウム合金の充てん時間に対する内乱(部品の規格の中心からのずれや劣化など)の影響が小さくなるような設計パラメータの水準を探索することを目的としています(ダイカスト法は金型に溶湯を加圧注入する鋳造法です).また,充てん時間には目標値があり,その値は0.04±0.01(sec)です.
この事例において,制御因子として取り上げられている因子とその水準は以下のとおりです.
| 因子 | 内容 | 水準 | ||
|---|---|---|---|---|
| A | アキュムレーター内圧力×油圧プランジャー断面積 | 4000 | 5600 | 7200 |
| B | ドライサイクルでの油圧プランジャー速度 | 80 | 150 | 220 |
| C | 鋳造プランジャー断面積 | 12.57 | 19.63 | 28.27 |
| D | ゲート流出係数 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
| E | ゲートの断面積 | 0.25 | 0.50 | 0.75 |
| F | キャビティ内圧 | 30 | 45 | 60 |
また,制御因子の水準値からのずれを誤差因子とし,制御因子A〜Fに対する水準値からのずれの大きさを以下のように設定します.
| 因子 | 水準(%) | ||
|---|---|---|---|
| A' | -10 | 0 | 10 |
| B' | -10 | 0 | 10 |
| C' | -0.4 | 0.0 | 0.4 |
| D' | -10 | 0 | 10 |
| E' | -10 | 0 | 10 |
| F' | -10 | 0 | 10 |
そして,この誤差因子A'〜F'を外側直交表L18にわりつけます.以下,このような計画の下で得られたデータについて解析を行います.
内側因子の各条件に対して得られたデータを横に並べて入力します.この解析例では外側因子を直交表L18にわりつけていますので,内側因子の各条件に対して18個データを横に並べる形式となります.
また,内側因子のわりつけ情報を別変数(サンプル名)に入力し,解析に使用することができます.
メニュー[手法]−[実験計画法]−[品質設計(タグチメソッド)]−[パラメータ設計]を選択すると「変数の指定」ダイアログが表示されますので,解析に使用する変数を指定します.
この解析例では,データが入力されている18個の量的変数とわりつけ情報が入力されている1個のサンプル名を選択します.
.変数の指定を行い「次へ進む」ボタンを押すと「外側因子の設定」ダイアログが表示されます.「外側因子の設定」ダイアログでは,外側因子に関する以下の設定を行います.
この解析例では,直交表としてL18,特性の種類として望目特性,誤差因子の水準数として18を設定します.
「外側因子の設定」ダイアログの「次へ進む」ボタンを押すと「わりつけ」ダイアログが表示されます(ただし,動特性の場合はわりつけに関する設定を行う前に信号因子に関する設定を行います).
「わりつけ」ダイアログでは,実験の際に各内側因子を直交表のどの列にわりつけたのかを設定します.ダミー法を使用した場合は,その情報も本ダイアログ上で設定します.
この解析例では,2〜7列に因子A〜Fをわりつけて実験を行っています.
「わりつけ」ダイアログの「次へ」ボタンを押すと,SN比に関する解析結果である,要因効果図,分散分析表,推定値がタブウィンドウで表示されます.
この解析例では,要因効果図より因子B,C,D,EがSN比に影響がありそうであることが推測できます.
実際,分散分析表で確認すると因子B,C,D,Eのp値が比較的小さく,特に因子BとCが検定で有意となっています(図は,因子A,Fを誤差にプーリングした後の分散分析表です).
次に,これらの因子B,C,D,Fを用いて推定値を表示させると(分散分析表上で因子B,C,D,Fを選択し,「推定値」画面を表示させます),条件(B,C,D,F)=(1,1,3,3)の場合が最もSN比が良くなることが分かります.
この解析例は望目特性についての解析なので,感度についても解析を行います.感度の解析は,SN比に関する「推定値」画面の手法メニュー「感度表示」を選択することにより行うことができます.
手法メニュー「感度表示」を選択すると,感度に対する要因効果図,分散分析表,推定値がタブウィンドウで表示されます.
感度の解析では,感度には影響を与えるがSN比には影響を与えない因子(調整用因子)を見つけて目標値に近づけることを考えますが,要因効果図より,この解析例ではそのような因子はなさそうです.
実際,分散分析表を表示させると,因子B,D,Eのp値が小さく検定で有意になっていることがわかります(図は因子 A,Fを誤差にプーリングした後の分散分析表です).
すなわち,因子B,D,Eは感度に影響を与えていると判断できます.しかし,SN比についての解析から,これらの因子がSN比にも影響を与えていると判断されます.そこで,この解析例では,SN比が最もよくなる条件からこれらの因子の内のいずれかの水準を変化させて目標値に近づけることを考えます.
充てん時間の目標値は0.04(sec)でしたが,これをデシベル値に換算すると-27.96(db)となります.因子B,D,Eの水準の組合せの中で SN比が最もよくなる条件(B,D,E)=(1,3,3)について感度を計算すると,その値は-25.3987(db)となります.よって,感度を目標値に近づけるために因子Bの水準として第二水準を採用することにします.
実際,条件(B,D,E)=(2,3,3)について感度を計算すると,その値は -28.8170(db)となり,目標値をほぼ満足するものと思われます.
以上より,最適条件としてA2B2C1D3E3F2が得られます(ただし,『品質工学講座4 品質設計のための実験計画法』では確認実験の結果よりA2B2C2D3E3F2を最適条件として採用しています).
| 項目 | 機能 |
|---|---|
| 直交表の種類 |
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| 特性の種類 |
|
| わりつけ技法 |
|
| 結果出力 |
|
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